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お知らせカレンダー

2016年9月01日(木)

ベテランガイドさん達に聞く、 築地ガイド術10のポイント

ベテランガイドさん達に聞く、築地ガイド術10のポイント

1 案内に適した時間帯は9:00〜11:00a.m.
2 団体様には自由行動がおすすめ
3 横に広がらない、お子様の手を離さない
4 キャリーカートでの持ち運びは、かえって不便
5 「写真を撮っていいですか?」と一言
6 一品をシェアして食すはマナー違反
7 困ったときはお互い様、万が一のときは遠慮なく
8 ガイドとお店の関係を築く
9"まとめ買い"と"値段交渉"術
10 私にしかできないガイドを!

築地は、プロの仕入のための問屋街ですが、近年、様々な来街者様に親しまれる街となり、ツアーガイドさんとの接点も増えてまいりました。そこで、ベテランガイドさん方に、限られた時間で効率的に案内するためのコツをお尋ねしましたので、ご紹介します。これから築地を案内される方々にご覧いただき、来街者様と店舗のより良き橋渡しをしていただければと存じます。

1 案内に適した時間帯は9:00〜11:00a.m.
朝早い時間はお店の方達が、配達やプロ相手の接客に忙しく、いろいろ説明したくとも出来ないという状況です。共通意見として、午前9時〜11時頃がおすすめ。この時間なら市場の活気も十分に感じることができます。物販店でちょっと手がすくのもこの時間帯。旬の食材紹介や調理法なども伝授してくれ、お客さまも納得がいく買物ができるはずです。一日を有効活用するなら、9時過ぎに築地着で散策と買物、その後ちょっと早めのお食事というプランが効率的。(正午にランチをと思っても、目的のお店に行列が出来ていてがっかり...などということもあります)最も混み合うランチタイムには、すでに築地を後にするというパターンで。

2 団体様には自由行動がおすすめ
団体様誘導の際、目印に傘や造花を使う方法は今や一般的ですが、築地は道が細く団体行動に適していませんので、自由行動にするのがおすすめです。この方法は欧米の旧市街を案内するガイドさんに伺ったのですが、ポストイットに集合場所、集合時間、ガイドさんの携帯電話番号を書いて配りましょう。自分がどこにいるのかわからなくなりがちな高齢の方々をご案内する際には、「ぷらっと築地」(総合案内所)前までお連れしてから同棟にあるトイレをお教えし、解散・集合場所とします。

3 横に広がらない、お子様の手を離さない
築地市場には、開場以来、歩行者優先ではなく「荷物優先」の慣習があり、歩行者が道を譲ります。生の魚や、生鮮品を一刻も早く運んで、消費者の方に鮮度を保った食品をお届けするため、市場80年の歴史の中で長年出来上がった慣習です。近年、急激に観光客が増え、まちでも歩行者の安全確保のために警備員を配置し安全確保に重点を置いていると聞きます。 配送用トラックやターレットと呼ばれる運搬車輛の運転者がいちばん肝を冷やすのが、小さなお子様や言葉が通じない外国の方だそうです。また、お子様が興味から車両に手を触れたりする場面もみかけます。運転者の方々も大声で呼びかけたり気をつけているのは当然ですが、荷物の搬入出中でお気の毒にも思えます。 以下の3点を事前にお客さまにお伝えください。
1.横に広がって歩かない。
2.常に車輛の往来を意識し、機敏に行動する
3.お子さんは手を繋ぐか抱き、ベビーカーは持ち込まない(またはたたむ)

4 キャリーカートでの持ち運びは、かえって不便
買った荷物を運ぶのに便利なカートですが、市場には不向き。場外は曲がり角や段差も多く、混んだ場所や時間帯では思わぬトラブルとなっているようです。 例えば、急いで買物をされる方が追い越せずに困惑したり、高齢の方をつまずかせてしまったり...。
築地の買出しに慣れた方以外、特に初めての来街者様には、両手が自由になるリュックか、肩掛けバッグをお勧めします。「スーツケースは持ち込まない」これは鉄則です。

5 「写真を撮っていいですか?」と一言
「写真を撮っていいですか?」(海外の方は、身振り手振りでok)
コミュニケーションの基本として、この一言が大切。 お店の方々にとり、商品は我が子同然ですから。
ダメだと言われたらすぐに諦めましょう。OKなら「ありがとう」の一言を忘れずに。
お店側の本音は買って欲しいのだということを、お連れする方々に理解してもらってください。
市場はミュージアムではないのですから、当然のマナーだと思います。

6 一品をシェアして食すはマナー違反
私が個人的に知るお寿司屋さんの大将にお聞きしたところ、客単価が概して高い海外のお客さまは大歓迎だそうです。ただし困ることは...着席で一人前の鮨を何人もでシェアされる場合。「ガイドブックやHPで調べたお店の味をちょっとづつ味わってみたい」というお客さまの気持ちはわかります。ただ、食事にはマナーがあることを改めて知って頂きましょう。 また築地では昔から、仕入れ途中や配達途中の人間が相席で食事をとり、食べ終えたらすぐに次の人に席を譲るといった習慣が根付いているそうです。小さな飲食店が多い築地の慣習を、お客さまにもお伝えし、ご理解いただくことが、トラブルを避ける良策です。

7 困ったときはお互い様、万が一のときは遠慮なく
江戸っ子を詠んだ川柳があります。
「江戸っ子は、五月の鯉の吹き流し、口先ばかりではらわたはなし」
築地の魚屋さんたちが思い浮かびます。
思ったことをそのまま言うけれど、お腹の中で悪だくみするようなことはない。
荒い言葉使いの中に、温かみを感じることが多いです。
「体調が悪い...」「仲間とはぐれた」など、とっさに困った時は店の人に助けを求めるよう、言って構わないと思います。

8 ガイドとお店の関係を築く
築地のお店との関係が良好なガイドほど、口コミでお客さまからの人気が上昇します。それには、お客さまの潜在需要を探り当てて適材適所のお店にお連れし「築地で買物をして良かった」と満足していただくことだと思います。 例えば欧米の方々が購入する調理道具や、アジア各国の方々に人気の乾物など...。私は、お連れするお客さまのお国柄や目的に応じて、満足していただけるようなお店や品物のセレクトを日頃から心がけています。お店の方にも事前に話を聞いてお連れすれば、買う側・売る側の両者にプラスとなります。他のガイドにマネのできない"お店とのコミュニケーション術"を持っていると、これはプロとしての大きな武器になりますヨ。

9"まとめ買い"と"値段交渉"術
値引き交渉については、国や地域により商習慣が異なり、何が正しいということではありません。ただ、郷に入れば郷に従えのことわざがあるように、築地には築地の商習慣があるように見受けられます。築地は食の問屋街で、プロ対プロの値段交渉の場。品物それぞれに、時季や商品のランクに応じた相場がありますので、頭ごなしの値引き交渉は嫌われます。逆に、適切な仲介ができれば、お店の方にもガイドとして一目おかれるはずです。

10 私にしかできないガイドを!
今、築地は変革期です。私は築地を訪れる度に、最低ひとつは新ネタをキャッチすることを心がけています。皆さんを案内した後のフリータイムを利用して、案内中に気になったお店に戻って、細かい情報を仕入れます。フレッシュな話題(時には失敗談も、お客さまの役に立ちます)を次回に盛り込む準備はこれで万端。自分の体験談を話すことで、あなたならではの築地案内を!

*この原稿は、複数のガイドさんにお尋ねし、作成させていただきました。

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